バーレスク( Burlesque )
前回に引き続き今回も、以前紹介しましたCurious Pleasures: A Gentleman's Collection of Beastliness(奇妙な遊興: 紳士のための奇癖コレクション)から、「バーレスク」について以下紹介いたします。
バーレスクとは、ユーモラスなダンスやストリップを含む、コミカルで下品な芝居のことである。
この概念の起源は、古代ギリシャ人にまで遡ることができる。
古代ギリシャ人は、時に精巧で潔癖な性格を持ちつつも、一方で不適切な娯楽の感覚も持っていたのだと思われる。
最近では、アーティストAやBによる一連の不埒なイラストの描かれたポスターが話題となった。
アーティストAの劇、特に『リシストラータ』がその一例である。
現代のバーレスク・パフォーマンスは、主に2つのカテゴリーに分けることができる。
1つは、卑猥な言葉を言ったり、胸や尻を見せる場面を盛り込むことで、観客の低俗ユーモアの観念に合わせ、既存の作品を下品なパロディに仕立てたもの。
そしてもう1つは、純粋に胸や尻を恥ずかしげもなく晒し、揺らしたり、叩いたりして踊ることに重点をおいて、パフォーマンスするものである。
私が考えるに、後者については何の救いもない。
このように、女性の身体を公共の場で見せびらかすことで、芸術は嘲笑されているのである。
私はかつて、研究の一環として、バーレスク劇場に足を踏み入れることがあった。
そこで私は、偉大な劇作家の作品が、冒涜的ともいえるほどグロテスクに堕落させられているのを目の当たりにした。
例えば、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』のパロディでは、タイタニアを、妖精のような顔立ちで、見たこともないような淡い色の髪をした美しい若い女性が演じていた。
タイタニアは、仮面をつける必要がないほど醜い大馬鹿者が演じるボトムと恋に落ちるだけでなく、彼のために自らの服を脱ぎ捨て、舞台上に裸で立ち、観客に向けて胸や尻を惜しげも無く晒したのだ。
さらに、この劇団がパリで公演する際には、この2人が舞台上で淫らな行為をするという噂が立ち、大反響となった。
いつか機会があれば、私自身が再度調査に乗り出さなければならないと思っているところである。