平牙人考①
このブログの冒頭に、私の性癖について概略を述べさせてもらった訳ですが、私のこの厄介な性癖を「性癖」であると認識させてもらい、天涯孤独の変態的な嗜好ではないと認知させてもらえたのが、故平牙人先生(以下敬称略)の存在でした。
性癖を持つほとんど全ての人は平牙人氏の名前に必ず触れてらっしゃると思うので、氏自身のことは特に記述しませんし、私自身も氏にお会いしたこともありませんし、お顔も知りません。よって、面識のある方からはご批判をいただくかもしれませんが、ご容赦ください。
ただ、私が中学から高校に進学するタイミングで氏の作品に出会い、氏の世界観に深く引き込まれていった衝撃は今でも胸が苦しくなるほど鮮明に覚えています。その作品は、日本ではじめての本格的なスパンキングビデオを名打たれ、三和出版(株)から発表された「ママのおしおきはお尻叩き」(1995年)でした。
当時はアダルトビデオが全盛の時代。まだnetも当然なく、私が住む田舎の街にもレンタルビデオ店がいくつかでき、AV嬢なんて言葉もあり、深夜のTVではそのAV嬢たちが惜しげもなく「乳」を曝け出していたのを覚えています。しかしそこに私が欲望のままに探求する世界はありませんでした。
当時、未成年であった私は、TVで放送されるバライティ番組、ドラマや歌番組などでタレントや女優・アイドルなどが、お尻について言及するシーンやお尻を振る振付などに興奮し、目に焼き付けることしかできませんでした。「お仕置き」や「お尻叩き」への言及は皆無に等しかったですが、ごく稀にそのようなシーンや言及があった場合は、どうにかその素材を自分のものにできないかと録音や録画を試みていたことを覚えています。(ほとんどは手元に残すことは出来ませんでしたが…)切ない時代でした。
そのような時代、私も世の中にSMというジャンルがあり、女王様という全身エナメルの衣装に身を包んだ女性が鞭を振るう世界があることは知っていましたが、それもまた自分の求める世界ではありませんでした。
私が住んでいた田舎では、今は見かけなくなったが全国チェーンでないローカルのコンビニがあり、都会地で売れ残った所謂「エロ本」が廉価に売られていました。沢山のSM系のものもあり、私はその中にあった「SMスナイパー」を購入したのです。(未成年だったのでかなり不可解に思われたに違いありません。)
「SMスナイパー」は全身エナメルの所謂SMがほとんどでしたが、日常によせたグラビアもあり各号1頁くらいは「お仕置き」「お尻叩き」のようなニッチなジャンルを扱う頁もありました。
その中に突然その作品の広告は入っていました。所謂OTKの姿勢で日常のコスチューム、丸出しの女子高生or中学生の大きなお尻と苦痛と羞恥に歪む横顔、振り上げられたママ(小川真美)さんの右手。タイトルは「ママのおしおきはお尻叩き」全てが私が憧れるそのシーンが具現化されて飛び込んできたのです。それは本当に衝撃でした。
監修は平牙人。私はこの名前に激しく興味を持ちました。